炎症（Inflammation）は、通常、体が損傷や刺激に反応して生じる生体反応の一つで、病気や怪我、異物などに対する自然な防御機構です。炎症は、体の組織が損傷を受けたり、異物が侵入したりした際に、その組織を保護し、修復するために起こります。
炎症の主な特徴は次の通りです：
- 赤くなる（Rubor）: 血管が拡張し、血流が増加することで組織に血液が集まり、赤みが生じます。
- 腫れる（Tumor）: 血管から漏れた液体や免疫細胞が組織に滲み込み、腫れが生じます。
- 痛み（Dolor）: 炎症が起こると、神経組織が刺激されて痛みが感じられます。
- 熱を持つ（Calor）: 血流の増加により、炎症部位が温かくなります。
- 機能障害（Functio laesa）: 炎症が進行すると、その部位の機能が一時的に制限されることがあります。
これらの反応は、免疫細胞や炎症調節物質の働きによって制御されています。炎症は通常、害を受けた組織を修復し、外部からの刺激に対抗するために重要な生理学的な過程です。ただし、炎症が慢性的になると、身体に悪影響を与える可能性があります。例えば、関節リウマチや炎症性腸疾患などがこれに該当します。
