食べるプラスチック

トランス脂肪酸は、もともと自然界にはほとんど存在せず、人間のカラダには必要ない脂肪酸で、油脂を工業的に加工するときに発生します。トランス脂肪酸は、マーガリンやショートニングなどに含まれています。

マーガリンは、電子顕微鏡で見るとプラスチックと同じ分子構造をしているそうです。トランス脂肪酸が本来カラダには存在しない、カラダに必要ない物質です。トランス脂肪酸が細胞膜に入り込んでしまうと、細胞に変調をきたします。細胞膜は、細胞の外と中の物質の出し入れをコントロールしていますが、トランス脂肪酸が細胞膜に入り込むと、このコントロールがうまくできなくなります。

それによって、糖尿病をはじめとした糖代謝異常のリスクの上昇、コレステロール合成量の調節機能不全、免疫力の低下など、細胞の機能に異常をきたすと言われています。マーガリンやショートニング、ファットスプレッドなどが、あなたが口にする食品に使われていないか、原材料名をしっかり確認しましょう。

本当に栄養素として取り入れられるべき油は、コールドプレス(低温圧搾)という製法で作られています。コールドプレス(低温圧搾)は、果実や種子から油を絞るときに、熱を加えない製法です。40度以上の熱を加えずに原料を絞って抽出するシンプルな抽出方法です。結局、こういうシンプルな製法で作ったものが、一番安全でカラダにもいいということです。

こうした油はパッケージごとの量も少なく、化学的に抽出したものより割高なので、食べる際に使う量も自然と減ってきます。オリーブオイルでよくある「ピュアオリーブオイル」や「オリーブポマースオイル」は、化学溶剤を使っている可能性があり、高温で精製するので、脂肪酸が酸化しやすいだけでなく、トランス脂肪酸を含んでいる可能性が高いです。日々口にする油、必ずチェックしながら購入しましょう。