感染症法上の5類感染症とは、感染力や病原体の危険度に応じて、感染症を5つの類に分類したものです。以下に、それぞれの類に含まれる感染症とその特徴を詳しく説明します。

 

1.第一類感染症(厳重管理感染症):

・例:エボラ出血熱、SARS(重症急性呼吸器症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)など

・特徴:非常に感染力が強く、重篤な疾患を引き起こす病原体が含まれます。国や地域の保健当局が緊急対応を行う必要があります。

 

2.第二類感染症(一般管理感染症):

・例:インフルエンザ、結核、水疱瘡、風疹、麻疹など

・特徴:広く一般的に見られる感染症であり、一般の医療機関で診断・治療が可能です。感染力は高い場合もありますが、致死率は比較的低い傾向があります。

 

3.第三類感染症(臨床研究感染症):

・例:風疹、麻疹、水疱瘡など

・特徴:感染力はあるものの、一般的には軽症または無症状の場合が多く、医療機関での報告が必要です。一般的な診療や治療が行われます。

 

4.第四類感染症(予防接種対象感染症):

・例:麻疹、風疹、水疱瘡、インフルエンザなど

・特徴:ワクチン接種によって予防が可能な感染症であり、予防接種プログラムが定められています。一般的には重症化することは少ないですが、感染拡大を防ぐために予防接種が推奨されます。

 

5.第五類感染症(その他の感染症):

・例:発疹チフス、レジオネラ症、クロストリジウム・ディフィシル感染症など

・特徴:他の4類に該当しない感染症が含まれます。感染力や病原体の危険度に応じて、その他の感染症として分類されます。

 

これらの類は、感染症の予防や対処方法、感染症の拡大を防ぐための措置などを決定する上で重要な役割を果たしています。