先日来院された患者様が

「湿布を貼っているのに全然治らない」とお話されていたので

説明させて頂きます。

 

 

結論からお伝えしますと、

湿布で腰痛は治りません。

 

なぜなら…

そもそも、湿布は腰痛を治すためのものではないからです。

薬で病気は治らないというのはご存知の方が多いと思います。

薬は症状を抑えるもので病気を治すものではありません。

同じく湿布も、症状を抑えるのが目的で作られているものですから治らないのです。

 

湿布や痛み止めの薬などの効能は

 

・炎症を鎮める

・痛みの原因物質プロスタグランジンの発生を抑える

・脳や脊髄の疼痛中枢に作用して痛みを少なくしたり、なくしたりするというものです。

 

医学的には筋性腰痛症(筋筋膜性腰痛)の原因がぎっくり腰のような急性の痛みばかりでなく慢性の腰痛まで炎症やプロスタグランジンの発生によるものとして扱われていますが

 

慢性腰痛の根本原因は炎症やプロスタグランジンの発生ではありません。

 

湿布で痛みが、治らないまでも軽減できるような急性の痛みは2週間以上続くことはありません。慢性の痛みは炎症によるものではないので湿布が効かないのです。

 

何年も貼り続けていても湿布で腰痛は治りません。もし治ってしまったとしたらそれは、湿布を貼ったからではありません。

湿布で腰痛が治る訳がないからです。むしろ、湿布の成分が体に入り続ける方が体にとって良くないと思います。

なぜなら湿布の成分には交感神経を興奮させるものが入っているからです。

交感神経の働きである24時間戦う、逃げるモードで体は休まりません。

そして、なぜ交感神経を興奮させる必要があるのかというと交感神経が興奮している時は

痛みに対して鈍感になるからです。

 

 

『メチャクチャ痛くてどうしようもないけど、今動かなければならない』

っていう時には貼る事で痛みがマシになるので一定の効果はあります。

 

でも、急性の痛みで『明日の為に』っていう時には

湿布を貼らないで安静にしている方が炎症が流れるので明日マシになっています。

 

『湿布は貼ってはいけない』

ではなく。

上手に使えば痛みを抑えることはできます。

 

でも、何度も言いますが

湿布で腰痛は治りません。